今回は、スイスの作家のハンス・フィッシャー(1909-1958)の『こねこのぴっち』を取り上げます。スイスの作家は初めて?かも。そういえば、ぴっちの飼い主のおばあさんのスカーフと衣服や、『たんじょうび』の部屋の様子を細かく見ると、何となくスイスらしさが感じられます。
子猫の“ぴっち”は、果敢で好奇心が強くて、大きな雄鶏の鳴き声を真似したり、アヒルの親子に池の中まで付いていって病気になってしまったり、なんでも自分から挑戦しては、ちっちゃな失敗を繰り返しながら、大きな愛情に包まれて成長します。軽妙で洒脱なタッチの絵は、子猫が画面いっぱいに飛び回る様子がとてもよく伝わってきます。
暑かった夏も一段落して、秋の花材が似合う頃となりました。“ぴっち”が大きな花材にほんわり包まれているようなアレンジで表現したいと思います。
内容ついてのお問い合わせ、お申し込みは、花ぐるみ*まで。
夏の間お休みをいただいていたワークショップを再開します。
テーマは、スイスの作家ハンス・フィッシャーの『こねこのぴっち』です。
ワークショップの中身とは関係のない余談をすこし・・。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、私にとっての「こねこのぴっち」は、左の写真の表紙でした。“岩波こどもの本”シリーズの一冊です。その後、大型絵本シリーズとして出版されたのが、上の写真の一冊。写真だけでは分かりにくいのですが、子どもの本の方は、とじ目が右側にある左開きで、大型絵本は右開きなのです。ということは、話の進み方が真逆になるため、印刷を逆にする、いわゆる逆版にしています。シリーズ本を作ると、こういうことはままあることなのですが、まして、こどもの本シリーズは、ページ数もほぼ揃えているため、挿絵の数やレイアウトまでいじっています。古典と呼ばれる絵本で、原書を見て、えーーーっ!?と驚くケースが結構あります。善し悪しはともかく、作者にとってストーリーの流れは、本の命のようなもの、と想像すると、大胆というか無謀というか。
お問い合わせ、お申し込みは、花ぐるみ*まで。
アメリカで人気のナチュラルヘルス専門家である、テリー・シークレットさんが、美と健康のためのヒーリングレシピを日本で初出版しました。そのスタイリングを担当させていただきました。
約30種類のレシピは、すべてナチュラルフードを使ったもの。中には、すでに日本人なら知っている!というものもありましたが、遺伝子組み換え作物国でしかもソフトドリンク王国のアメリカで、ここまで意識して食事をしているのかと、驚き満載の内容です。撮影にはまる3日かけました。フードコーディネーターさんが次々作り出すお料理の素晴らしい事!、そして、私がテーブルにセッティングすると、それはそれは美味しそうにカメラマンさんが撮ってくださり、久しぶりに本が仕上がるのが待ち遠しかったです。
テリーさんのレシピの特徴は、日本の厚生労働省の許可が下りている食べられる精油を使っている事、基本セオリーに揺るぎがない事です。初日は、ご本人も来日してスタジオにいらしていて、スタッフ打ち合わせの時にいろいろ上がっていた疑問点もあっという間に解消。日本流でいうと還暦(失礼!)を過ぎているとは、到底信じられない美しさに、見とれて思わず手が止まってしまいました。
来年の春には、また日本で講演会があるとのこと、もし、本屋さんやネットで見かけることがあったら、一度中身を覗き見してみてください。
84号から、「もう一度読みたい」シリーズが、「赤毛のアン」になりました。
女性なら誰もが一度は手にしたことがある古典です。今回この作品がテーマになるというので、文字通り、もう一度読み返してみました。実を言うと、少女時代の私はこの本が(というよりアン)が苦手でした。テーマに決まった時、アンか〜、などと気持ちはかなり後ろ向きでした。それでも仕事ですので、新たに文庫本を買って、読み始めたら最初の1ページでのめり込みました。古典になるわけです。あの天真爛漫さは時にはちょっと・・と感じますが、何といっても素晴らしいのが、自然の捉え方です。これには、翻訳の力が多分にあると思いますが、四季の移り変わりのなかで過ごす暮らしの喜びは、本当に些細な発見から生まれるものだということに気付かされました。
第1回は、アンがグリーンゲイブルズに初めてやってきた場面です。何の飾り気もない屋根裏の小さな部屋に通されたシーンです。
そして第2回。アンは生まれて初めて行く日曜学校のピクニックに有頂天。ところが、事件が起こります。
真冬に撮った真夏のシーンをご覧下さい!
第3回は、ダイアナを家に招待し、ジュースと思って出したものが果実酒で大事件になってしまった、あの有名な一節です。アンが、大人たちがするように正式に接待するという設定ですが、どこかちぐはぐな子どもらしさを表現したい、そう思って作ったシーンです。
第4回は、クリスマスです。教会で初めて朗読に挑戦するアン。真剣に練習を重ねるアンを静かに見守るマシュウが考えたクリスマスプレゼントは、何と流行のスタイルのドレスでした。
当時の流行のスタイル? 細かく描写された文章を参考に、舞台衣装を扱うリース屋さんで調達し、当時のスタイルに近づけるために手を加えました。はしゃぐアンの声が聞こえるかしら。
連載2年目を迎えた第5回は、再びアンの部屋です。
空想と持ち前の明るさで苦しいことも悲しいことも乗り越えてきたアンですが、唯一思い通り行かないのが、赤い髪の毛の色でした。ある日アンは、おかしな薬屋に騙されて手に入れた薬で髪を染めてしまいます。果たしてその結果は・・・。
注目していただきたいのが、第1回のアンの部屋との違いです。何もなかった殺風景な部屋が、少しずつですが女の子らしく変化していませんか?
第6回は、再び夏のシーンです。13歳のアンは、相変わらず空想が止みません。ある日親友のダイアナたちと、国語で習った詩を再現しようと、詩に登場する主人公に扮し、小川に浮かべた小舟で“死んだふり”をしました。これが思わぬ事故に発展してしまいます。
第1回目から写真を提供してくださっているカメラマンの吉村和敏さんの小川の写真が、あまりにぴったりでイメージを掻き立てます。アンがワクワクして小川に持って行った小物は何か、何度も読み返して準備しました。そして、ギルバートに助けてもらい、命拾いをしたアンをこっぴどく叱るマリラと正反対に、「空想を止めてはいけない」とマシュウが言う大好きなシーン。マシュウが使う道具でその存在を表現しました。
第7回は、夏休みの間、教科書をトランクにしまい、家の手伝いに集中していたアン。進学のための難しい試験の合格通知が届き、トランクの鍵を再び開けるシーンです。アンが、年齢を重ねていくマシュウとマリラを思い、希望していた遠い学校ではなく近くの学校に通えるように算段をする場面につながっていきます。
テレビの朝の連続ドラマが人気だそうで、おかげさまで、この連載も好評と聞き、嬉しい限りです。
第8回は、マシュウの突然の死というショッキングな出来事から始まります。悲しみに打ち拉がれるアンとマリラですが、ふたりで気丈に生きていく決心をします。マシュウのいないテーブルで、裁縫をするマリラと、一緒のテーブルで本を読むアンをイメージした冬のシーンを作りました。背景には、暖炉に薪が燃えています。撮影をしたのは1月。スタジオの中が一気に暖かくなったのを思い出しました。
新シリーズ第1回
連載も3年目を迎えました。アンはすっかり大人になりました。アンが再愛のギルバートと結婚し、海辺の街で小さいながら暖かな家庭を築きます。結婚が決まったアンを祝福するためにグリーンゲイブルズがらマリラがやってきます。あの赤毛のやせっぽちの少女が美しい花嫁に。ウェディングドレスを、メインカットに選びました。原作とにらめっこしながら、選んだアンティークドレスをぜひご覧ください。
今号で、連載は最終回を迎えます。
アンとギルバートの初めてのクリスマスです。アンも最初はマリラたちが待つグリーンゲイブルに“里帰り”するつもりでしたが、ギルバートと相談をして、新居にマリラたちを招くことにしたのです。
メインカットは、テーブルシーンです。クリスマスディナーのあとのティータイムをイメージして作りました。
手前に写っているのは、もみの生木のクリスマスツリー! 撮影は1月だったのですが、最終回は絶対クリスマスシーンと決めていたので、去年、クリスマスが過ぎて花屋さんの店先に片付けられる間際のツリーを払い下げてもらったのです。
そしてもうひとつのエピソードは、パティシエに頼んで作ってもらった巨大なクリスマスプディング。日本ではなかなかお目にかかれないクリスマスプディングですが、わざわざ本場のレシピを調べてくれ、それはそれは絶品プディングが完成しました。今回が最終回ということで、撮影が終わって、みんなで一緒にいただきました。
このページをご覧になって、もう一度赤毛のアンを読んでみようと思ってくれたら嬉しいです。
2年間の連載だった、『もう一度読みたい 大草原の小さな家』の最終回です。最後は、ローラ一家のクリスマスです。
《ローラは、町に出かけたまま帰って来ない父さんが心配です。猛吹雪に合いながら、4日目にやっと帰って来た父さんが、持ち帰ったのが、牡蠣の缶詰・・・》という一節から、オイスターシチュウのシーンを作りました。唯一のご馳走だったシチュウと母さんが焼いたパン、グローブの実を刺した焼きリンゴなど、贅沢ではないけれど、暖かで豊かな愛情に包まれた食卓をスタイリングしました。当然、夜のシーンなので、窓を締め切り、光が入らないようにレフ板で囲い、暗闇を作りました。カメラマンは、今号も山本正樹さんです。
昨年12月21日から27日まで、銀座三越にて開催した『花ぐるみ*墨花展』でお買い上げ頂きました金額から、20281円を東北大震災復興支援団体“花の力プロジェクト”を通じて、寄付をさせていただきました。ご報告申しあげます。
花の力プロジェクトには、昨年9月に続いて二度目となりました。これもみなさまのお力添えがあったからこそ、心から感謝申し上げます。東北の春に少しでも花が加わりますように。そして笑顔がもどりますように。
2年目を迎えた巻頭の『もう一度読みたい 大草原の小さな家』の春の号です。
待ちに待った春への思いを、屋外で洗濯物を気持ちよく干すシーンで表現したい、という編集部からのリクエスト。撮影は、冬真っただ中の2月でした。当日は運良く快晴に恵まれたものの、地面は枯れ草ばかり。何とか近くの畑の畦道に生えていた草や出たばかりのタンポポを移植して、茶色一色だったところにグリーンを足すことができました。
冷たい風が春風のように見えるのは、カメラマンの山本正樹さんのマジックです。写真が上がって、遠目に牛がいたらもっと良かったね、と担当の編集者さんに冗談めかして言ったら、「ふふ、ちゃんと用意してあります」の返事。刷り上がった掲載誌を見てびっくりしました。前ページの吉村和敏さんの一枚写真がまさにそれだったからです。
よろしかったら、本屋さんでご覧ください。
百貨店の3月の企画“はなばな祭”に際し、花ぐるみ*も参加させていただきました。ピンクをキーカーラーに、春らしく華やかな作品を制作いたしました。また、錫100%のテーブルウェアや雑貨のメーカー“能作”さんとコラボレーションさせていただきました。今回もまた多くの方にご覧戴くことができました。本当にありがとうございました。
4月27日から5月3日まで開催した“花ぐるみ*Moter's Day 2011”でお買い上げいただいた作品の売上金の一部41703円を、『花の力プロジェクト」を通じて、寄付をさせていただきました。
東日本大震災で被災したり、福島原子力発電所の事故の影響で一時出荷制限を受けていた花の産地や市場があります。また、被災者に贈られた花が何よりの励ましになったという話、津波ですべて流されてしまった町に花が咲いたという話、ヒマワリが放射能に汚染された土を浄化するかもしれないという話を聞くたびに、花には力があると改めて強く思うのです。
これからも、花ぐるみ*として何ができるかを考え続けていきます。
今回は、紀州備長炭を素材に加え、アレンジメントやコラージュを制作しました。初めての試みでしたが、多くの方にご好評をいただき、おかげさまで無事終えることができました。心より感謝申し上げます。
巻頭の『もう一度読みたい 大草原の小さな家』の一年の締めくくりは、インガルス家のクリスマスシーン。毎号見事な風景写真で一気に『大草原の小さな家』のストーリーに導いてくれるカメラマンの吉村和敏さん、今回は凍てつく大地にそびえる大木の迫力の写真です。灰色の地平線の向こうで空が鳴っている音が聞こえてきます。吉村さんの写真のお陰で部屋がいっそう暖かく感じられます。実は、このシーンを撮影したのは、4月のこと。通常の進行だと、冬号は9月の撮影になってしまうので、この連載が決まって最初に撮ったのがこのカットでした。
79号では、創刊20周年記念『私のカントリー 心豊かな暮らし大賞』の発表と各賞を受賞した方々の暮らしを紹介しています。こんな暮らしを日本でしている方があるのかと、驚きとともに感心しきり。大切なのは中身だと改めて考えるきっかけになりました。
今号も、見応え、読み応え十分です。よろしかったらぜひご覧ください。
前号に引き続き、巻頭の『もう一度読みたい 大草原の小さな家』では、深まる秋を厳しい冬に備えて保存食を準備するシーンを作りました。カボチャやタマネギ、ニンニク、トウモロコシ・・・野菜をごろごろ置いた納屋の撮影場所は住宅展示場のロフトです。藁を敷き詰めて、フローリングをカバー。仕上げは、前号に続いて撮影をお願いした山本正樹さんのライティング。「夕日が壁のすき間から差し込んでいるように」。無理なお願いもあっという間に叶えてしまうマジシャンです。
この号は、『私のカントリー』の20周年記念号です。表紙を開くと編集長からのメッセージがあります。そこに添えられたカットをスタイリングしています。20回目のバースデーケーキ。“お母さんの手作りケーキ”が主役です。こちらの撮影は、山下コウ太さんです。山本正樹さんからすると、安藤紀夫さんの弟弟子にあたります。花はもちろん、カワシマさん。
そしてもうひと企画、『私のカントリー×暮らしのデザインコラボ企画 第2弾』のスタジオ撮影を担当させていただいています。さまざまなスタイルの家具の使い方をこんな風、あんな風といろいろなシチュエーションで提案しています。
20周年記念号は、ページも増え、編集にも力がこもっていて読み応えがあります。よろしかったら本屋さんでご覧ください。
9月20日まで開催しているブライダルフェアに参加しました。花ぐるみ*初の試みです。ご来場いただきましたみなさま、本当にありがとうございました。
“カントリーライフの原点をもう一度見つめ直そう”企画、巻頭の『もう一度読みたい 大草原の小さな家』の2回目、夏編を担当させていただきました。ローラ・インガルスが描いた物語からイメージを起こし、夏の1シーンを表現しています。ローラの誕生日に友だちを招いた1シーン、お母さんが“見栄っ張りのケーキ”と名付けた、ぷくぷくに膨らんだ油で揚げたお菓子や木の実のジュース、そして野の花のアレンジをテーブルにスタイリングしました。
撮影は、山本正樹さんです。ログハウスの小さな窓から入る柔らかい光、アンティークのガラス瓶、可憐な野の花、どれもが山本ワールドに染まっています。現在発行中です。よろしかったら本屋さんでご覧ください。
日本橋三越本店5階 リビングステージにて、花ぐるみ*が“母の日”のギフトをテーマに、4月27日(水)から5月3日(火)まで出展しておりました。おかげさまで無事終了いたしました。会期中、たくさんの方のご来場を心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
なお、お買い上げ代金の一部を日本赤十字社を通じて、東北関東大震災への義援金として送らせていただきます。詳細は追ってご報告いたします。
創刊20周年を迎え、誌面が刷新されています。“カントリーライフの原点をもう一度見つめ直そう”企画、巻頭の『もう一度読みたい 大草原の小さな家ーSpring』で、ローラ・インガルスが描いた物語からイメージを起こし、春の1シーンを表現しました。今後季節に添って、スタイリングしていく予定です。
また、キッチンテーマの大特集のなかで、アンティークのキッチン雑貨の使いこなし術のページを担当させていただいています。アンティークのキッチンツールのなかには、今では本来の使い方さえ不明なものもありますが、こういったものこそアイディア次第で面白い活用方があるものです。アンティーク雑貨を飾っているだけという方もいらっしゃいますが、元は使うために作られたもの、使ってこそいっそう愛着が増すと思います。